
年齢を重ねるとともに、これまでの経験が増える一方で
「あの時、ああすればよかった」「なんでこんなことを言ってしまったんだろう」と、自己嫌悪におちいる瞬間も増えるものです。
特に50代ともなれば、家庭、職場、人間関係など、さまざまな役割を担ってきたからこそ、ふとした瞬間に「やってしまった」と感じてしまうことがあります。
自己嫌悪におちいる具体的な場面
- 職場で後輩にきつく当たってしまった後、後悔が押し寄せる。
- 仕事で、今までこんなミスしなかったのに、という失敗をしてしまった時、年齢的な衰えを感じてしまう。
- 家族のために一生懸命やったことが「余計なお世話」だと言われ、無力感におそわれる。
- 健康管理やダイエットを頑張ろうと決意したのに、甘いものを食べすぎて自分を責める。
- 友人との会話で自分の話ばかりしてしまい、相手が退屈そうだったことに後で気づく。
自己嫌悪とは?
自己嫌悪とは、自分に対して強い不満や嫌悪感を抱き、「自分はダメだ」と感じる心理状態です。
人は、自分の理想と現実のギャップを感じた時や、失敗や過ちを犯した時に、こうした感情を抱きやすくなります。
特に真面目で責任感が強い人ほど、自分に厳しくなりやすく、自己嫌悪におちいりやすい傾向があります。
心理学・精神医学の観点から
心理学では、自己嫌悪は「自己評価の歪み」と関連が深いとされています。
自己評価が極端に低くなると、自分の存在価値すら否定してしまい、無力感や無気力につながることがあります。
一方、精神医学では、自己嫌悪は「認知のゆがみ」の一種とされ、特に50代は人生の変化が多い時期であり、自信を失いやすい年齢でもあります。
自己嫌悪は成長のチャンス
自己嫌悪におちいるということは、理想の自分像があり、それに近づきたいという向上心の現れです。自分を責める気持ちは「自分が変わりたい」という前向きなエネルギーに変えられるのです。
大切なのは、自己嫌悪を「悪いもの」と思い込まず、「成長のきっかけ」だととらえることです。

自己嫌悪におちいった時の対処法5つ
- 「その感情に名前をつける」
「私は今、自己嫌悪を感じているんだな」と言葉にするだけで、心が落ち着き、冷静になれます。 - 「失敗を事実として受け止める」
自分を責めるのではなく、「失敗はしたけど、次はどうすればいいか」と考える視点にシフトすることが大切です。失敗した事柄にフォーカスすると受け止めやすいです。 - 「信頼できる人に話す」
誰かに気持ちを打ち明けるだけで、思い詰めていた気持ちが軽くなります。
友人や家族、あるいはカウンセラーなど、安心できる相手を見つけると良いでしょう。 - 「小さな成功体験を積む」
自己嫌悪を抱えたままでは自信を取り戻しにくいものです。些細なことでも「できた!」という成功体験を積み重ねることで、自己肯定感が回復します。 - 「自分に優しくする」
自己嫌悪の時ほど、「よく頑張ってるね」「大丈夫、次はうまくいくよ」と、自分に優しく声をかけましょう。他人には優しくできるのに、自分には厳しい人が多いもの。そんな時こそ、ぜひ「自分をいたわる」ことを意識してみてください。
おわりに
自己嫌悪はつらい感情ですが、決して悪いものではありません。自分の行動や価値観を見つめ直し、自分の成長に向かっている大切なプロセスなのです。
「あの時ああすれば良かった」と思うこと自体が成長の証です。
「ああすればよかった、こうすればよかった」ということに既に気づいているんです。
自分が成長していなかったら自己嫌悪にはなりません。気づいていませんから。
自己嫌悪におちいるということは、もう既に気づいているってことなんです。
そして自己嫌悪になった人は変わろうとします。そこから良い方に動きはじめます。
そう考えると自己嫌悪になるってすばらしいことだと思いませんか。
完璧でなくていい、でも自分は着実に前に進んでいるんだと思って、少しずつ心の負担を軽くしていきましょう。
失敗したときの心の持ち方は以下の記事をご覧ください。
ありがとうございました。

50歳役職なし。キャリアカウンセラー。
タフに真面目に仕事に取り組んできた氷河期世代女性です。
50代のこれからの働き方や50代からはこれをやろうを、もがきながら考えていきます。